JUNのブログ

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活動記録や技術メモ

「嫌われる勇気」を読んだ.

「嫌われる勇気」を読み終わったので, 感想とメモ.

嫌われる勇気

嫌われる勇気

感想

素晴らしかったが, 難しかった.

本書では "アドラー心理学" と呼ばれる 哲学(?)について 青年と哲人の対話形式で説明していく本だ.

基本的な流れは, 青年が疑問や困っていることを投げかけ, 哲人がその問題を解決するためにアドラー心理学における考え方や解決の仕方を具体例を上げて説明し, それに対して青年がつっかかり, 哲人が青年が突っかかってきた部分に対しての補足説明を行い, 青年は渋々納得し, 最後には全てが繋がり, 青年が理解, 納得し, アドラー心理学を受け入れる. という流れだ.

この青年が突っかかるというのが, どうも生意気な感じでどうにかこうにか哲人を論破してやろうという強気な姿勢で反論する訳だが, その反論が, 私が読んでいてモヤっとしたところを上手いこと言語化していてよかった. また, この青年の語彙の使い方大変おもしろく, 読み物としても純粋に楽しめた.

本書内では, アドラー心理学について他の哲学者の考えなどと比較することが多々あり, その際に哲学に関するバックグラウンドが無いと読むのは少し難しいように感じた. 私はKindleで読んだので, わからない単語があれば毎回その場で検索していたので読めたが, 紙の本だと毎回辞書引くか, Google先生に聞かないと行けない気がして, 紙の本で読むのは少し厳しいように感じた. それとも, 普通の人はこれくらいの哲学にに関する知識と語彙を備えているものなのだろうか.

アドラー心理学について言えば, 「理解は出来る. 共感も出来る. ただ実践できる気がしない」と言ったところだ.

以下ネタバレ注意

本書にも書かれているが, アドラー心理学には 常識へのアンチテーゼ という側面が含まれている. これはその通りに感じた. というのも, 読んでいて普段の思考では考えない考えなどが多く含まれていたからだ. 例えば, 「全ての悩みは対人関係が原因である」「褒めてはいけないし, 叱ってもいけない」「承認欲求を否定せよ」などなど.

しかし, それらについても, 「まぁ, そういう考え方も出来るな...」と理解しようと努力し, 多少理解できたような気もする.

しかし, 全てを理解し, 受け入れれた訳ではなく, 例えば 「他者を仲間だと思え」というのはわかるが, 「他者を信頼しろ(他者信頼). 裏切られて傷ついたらそれはそれで受け入れろ(自己受容)」というのがある. これいについては, 言いたいことはわかるし, それが出来たらきっと素敵なのだろうと思う. しかし, 現実はそうではなく, 他者を信頼し, 裏切られ, 傷つき, その傷ついた自分を受ける というのはいいのだが, 問題は裏切られた時に金銭を失ったり, 仕事を失ったりする可能性があるということだ. このような経済的な損失を被る可能性が有り, 馬鹿の一つ覚えみたいに他者全てを信頼するというのはどうなのかな... と思ったりもした.
しかし, 他者を信頼する ことで世界が良い方向に傾くというのも確かにそれはあるかもしれないとも思った.
昔見た "Yes Man" という映画を思い出した.

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この映画はYesYes教みたいなところに入って, 人の頼みを全てYesYesと答えまくったら最終的に人生がとても明るく幸せになった みたいな映画だったはず(適当)で, これはアドラー心理学における他者信頼をしまくった結果とも言えなくもないかな?という感じだ. 映画自体とても面白いので興味アレば是非見てほしい.

こうして書いてみるとまるで本書内に登場する青年のようになってしまった.

ここまで疑問点及び反論のようなものを書いたが, 逆にとても共感したことは, 「縦の関係ではなく, 横の関係を作る」, 「人生における最大の嘘, それは「いま, ここ」を生きないこと」, 「お前の顔を気にしているのはお前だけ」, 「劣等コンプレックス」などである.

私は自己承認欲求と劣等コンプレックスの塊なので, この辺についての章は特に素晴らしいと思った.

アドラー心理学は実践し, 身につけるのがとても難しいと思うが, 自分が良いと思った部分, 取り入れたいと思った部分などから少しずつ人生を良くしていけたらなと思う.

そして, 本書とは特に関係無いのだが, 今回は初めて電子書籍(Kindle)で本を買った. 今まで, 本は紙一択だと思っていたが, iPadを手に入れたので今回電子書籍で購入してみた. 結果的にはこれは大成功だった.
電子書籍, とにかく楽である. 読もうと思った五秒後にはスマホを開き本を読める状態に常にあるというのはなんとも快適なものだ. そして, スマホで本を読むのも, Kindleでこういう読み物なら, 文字サイズを変更したりすればかなり快適に読める. その結果, 後半は殆どスマホで読んでいた.

しかし, 本を読むという行為はどうも時間がかかるし, 出来ればながら作業で読めたらなぁと思っていたらAudibleというサービスがあったので次はこれを試してみようと思う.

また, 嫌われる勇気の続編が出ているらしいので, これをAudibleで購入してみいようと思う. Audibleは月額1500円なので, 1ヶ月に1冊読めば元が取れるのでかなりお得な気がする.

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

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www.audible.com

追記) Audibleって1ヶ月に1冊だけなんですね...無制限だと思ってた...