「エンジニアの知的生産術」という本を読みました.
読んだ目的
知的生産を上げたかったから.
具体的には自分は本を読むのがめちゃくちゃ遅いのでその辺解決出来ないかなぁと思い読んだ.
各章のまとめ/感想
1章 新しいことを学ぶには
この章はこれから先の章で学ぶことを一通り紹介するような感じだった.
時間がない人はこの章だけ読んでもいいかも?
後にいくつかの章で言及されることだが, 基本的に質の良いインプットというのは, 「全体を把握した後, 細部を理解する」という感じらしい.
この章で大事なのは, 学びのサイクルは以下の3つの繰り返しであるということ.
- 具体: 情報収集や体験など
- 抽象: パターンの発見など. 抽象化.
- 応用: 抽象化したものを実際に使う(実践する, 検証する)
2章やる気を出すには
やる気が起きない人の多くはタスクが多すぎるかららしい.
なのでやるタスクを絞る必要がある.
タスクの絞り方としては, タスクや思っていることを全て紙に書き出して, それらを整理しこれから何をするかを決める.
これは Getting Things Done (GTD) と呼ばれる手法らしい.
何を優先するかという点においては「7つの習慣」の第3の習慣を参考にすると良い.
またタスクが大きすぎるとゴールが遠く, やる気が出ないので, タスクを細かいタスクに分割するか, 時間で区切るなどの工夫が必要.
所感
わかる...自分も数ヶ月前まで業務で設定するタスクの粒度が大きくやる気が出ないことが多かったが, ここ数ヶ月タスクの粒度を細かくすることによって業務効率が上がったことを実感している.
時間を区切るというのは具体的にはポモドーロテクニックなどだが, この辺は創造的なタスクなのか, 記憶のタスクなのかで向き不向きがあるというのをどっかの本で読んだ. (多分DAIGOの本だと思う) (ちなみにポモドーロテクニックは暗記などの創造性の低いタスクに向いてるって書いてた気がする)
3章 記憶を鍛えるには
記憶とはPCのメモリのようなものではなく, どちらかというと筋肉のように何回も鍛える必要がある.
記憶は使う(思い出す)たびに強くなる.
アウトプットをするのは思い出す行為にあたり, 記憶が強化される.
記憶を鍛えるためには反復学習が適している. 次の学習の時期は忘れた頃くらいが良いらしい.
このあたりの学習の期間の調整などの仕組みやソフトとして, ライトナーシステム や Anki というソフトなどがある.
所感
つまるところ, いっぱい思い出しそう! アウトプットしよう!
しかし, この学習間隔というのがむずいよな...
"英単語を覚える" とかだったら忘却曲線に基づいた学習間隔で出題するアプリもあるっぽいしそういうのを使ってもいいいかも
4章 効率的に読むには
目的意識を持って本を読むと効果が上がる.
早く読もうとすると入ってくる情報量が理解する速さを上回ってしまい, 結果インプットの量に比べて理解出来た量が減ってしまう.
無理して早く読むよりも自分に適した速度で読むのが良い.
本の読み方としては - まずは本を読む前に本の全体像を把握する - 目次で章や説を見る - 書評などを探して感想を読む.
本を読むための目的はいくつかあり, 具体的には以下のようなものがある
- 大雑把な地図を得るため: どの情報がどこにあるか把握し, 必要な時に読み返せるようにする
- 結合を起こす: 既に持っている情報や他の本との間のつながりを見つけ出し, 新たな知識を得る
- 思考の道具を得る: 具体的な言葉などを知りこれからその分野などでの学習や会話が出来るようにする.
これらの目的も素晴らしいが, 著者は 復習のための教材を作るを目的とすることをおすすめしている.
復習のための教材というは, "例えば人に教える" や "(人に教えるために) ブログやスライド, 資料などを作る" といったことが当てはまる.
ここでのポイントは 人に教える ということである.
人に教えるために作った資料などは後に自分が見返した時にも大いに役立つ.
所感
このブログがまさにそれだね!
また, 復習という意味では読み終わった後に他の人が書いた書評を読むのも自分とは違った意見や視点を知れてとてもおもしろく復習になるし新たな発見があったりしてとても良い.
アウトプットを前提に読むというところでは, 読み終わってから書評を書くのではなく, 各章読み終わるごとにその章の感想を書くのが良いのかなぁと思ったりした. (忘れちゃうので(思い出すことが大事なはずでは?))
このあたりはいくつかやり方を試してみて一番効果が高そうなものを行うようにすれば良いかな.
5章 考えをまとめるには
考えをまとめるにはKJ法というのが良い.
http://www.ritsumei.ac.jp/~yamai/kj.htm
流れとしては
- 持っている情報, 思いついたことなどを全て付箋に書き出す.
- 主観的に書き出した付箋で近いものを近い場所に置きグループ化する
- グループに名前を付ける(名前を付けれない場合はグループ分けが良くない)
- グループ間の関係(類似, 対立などなど)を矢印などで書く.
- 文章化してアウトプット
人によってやりやすいようにカスタマイズすれば良い.
6章 アイデアを思いつくには
著者によるとアイデアが思いつくまでには以下の3つのフェーズがあるらしい
- 耕すフェーズ
- 芽生えるフェーズ
- 育てるフェーズ
1.耕すフェーズでは情報のインプットや調査, つながりを見つけ出したりなどが含まれる. 第4章で紹介したKJ法なども大いに役立つ.
2.芽生えるフェーズでは耕すフェーズで獲得した知識や情報を脳内で寝かしておきアイデアが芽生えるのを待ちます. この辺は昔読んだ本にお風呂などのリラックスした状態では脳が思考や情報を整理を行う といったことが書かれていた. だから風呂でアイデアが思いつくことが多いらしい.
3.育てるフェーズでは, 芽生えたアイデアというものはそのままでは使えないことが多いのでそれをブラッシュアップしてプロダクトに出来るレベルにするみたいな感じ.
所感
昔ハッカソン(アイデアソン)に出た時に複数人でアイデアやワードを付箋に書いていって, そこからアイデアを生み出し, 実際に開発するということを何回かしたが, 今思えばその当時行ったことはまさにこれではないか.
確かにあの当時, 「何も思いつかん...」というところからアイデアを実際に生み出し, そして開発したことからして KJ法+この章の方法 はアイデアを生み出すことが出来そうだ! と思った.
こうやって自分の過去の経験と結びつくと記憶が強化されるらしい.
7章 何を学ぶか決めるには
1つの分野を極めるのも良いが, 複数分野の掛け合わせが強いぞ! という感じの内容.
他者が持つ知識と差別化を行い, 自分の知識の価値を高めよう. といった感じの内容.
所感
自分なんかは去年くらいにどの分野を極めればわからず悩みまくっており, その際に10人以上のエンジニアや人事の人と話した結果, 1つの分野を極めるだけがエンジニアではなく, 複数分野が出来たり, 他の業界の知識があることが強みになるということがわかった. まさにこの章の内容と同じだなぁと思った.
読んだ感想
有用なテクニックが学術的根拠と実例と共に紹介されており良かったと思う.
ただ, 自分はこういう本を読むだけで満足しちゃって実践しないことが多いのでしっかり実践しようと思った.
ホントはブログに書評を書く予定はなかったのだが, この本の内容を実践してみようということで書評を書いてみた.
KJ法などは実践するのが大変そうだなぁ...と感じた.
ただ, ハッカソンや個人開発において何か作りたいけどアイデアが出てこないときにはとても役に経ちそうだったので最低一回は実践してみる. (実践した感想をもしかしたらブログに書くかも)
書評に関してだが, 今回久しぶりに書いてみてそんなに手間ではない(1hくらいで書ける)のでこれから本を読む度に書こうと思う. またフォーマットはこの記事のフォーマットが自分に合っていてとても書きやすかったので次回以降このフォーマットを使って書くと思う.
この書評を書く前にScrapboxに感想や有用そうなことをまとめようと試みたが, ただ本文を移しただけみたいになってしまい, 労力に対してリターンが少なかったので止めた. この本にも書いてあったが, 人に教えるために書くことが大事ということで, やはりブログに書くのが一番だなと思った.